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歯医者における小児歯科とは?小児歯科と歯科の違いは?

目次

小児歯科と歯科の違い

究極の一言で言うと歯科診療を縦の見方をするか横の見方をするかです。

何の意味か分かりませんよね。

歯の構造上の違いや処置の違いにもありますが、基本的な虫歯を削って詰めると言う行為は変わりません。(一部の処置で違いがありますが、成人の一般歯科でも、行う場合がある処置ですので、治療の手順に違いがあるわけではありません)

年齢基準で分けるとすると

小児は18歳未満なので、小児歯科という広義の意味で言うと18歳くらいまでを指します。

しかし、小児歯科の世界では15歳くらいまでを指すことが多いいです。

この違いは、年齢で区切るか、歯の成長で区切るかで、まず違いが生じます。

歯の萌出年齢で分ける事が多い

一方、小児歯科の先生の考える小児歯科は、歯の治療をメインの治療と考える事が多いいので、12歳臼歯が生えてくる12歳を基準として、歯の根っ子が完成するとのが、歯がで始めてから、3年を目安とするので12+3=15歳を目安とします。

1つのわかりやすい目安として、何歳までフッ素を塗るかどうかも1つの目安となります。

フッ素の目安も実は歯が萌出してから3年を目安にします。歯が出てから3年間はフッ素の取り込み効率が良く、歯の表面が弱いこともあり、非常にフッ素は有効な手法です。

また、歯とお肉の境界線も安定していないため、歯が放出後3年で安定してくるため、小児歯科を専門に診療を行っている先生は15歳を目安に小児歯科と一般歯科を分けて考える先生も多くなります。

歯科の縦の見方と、横の見方とは?

始めに、小児歯科と一般歯科の違いを一言で言うと、歯科診療を縦の見方をするか横の見方をするかと表現しましたが、小児歯科と一般歯科では大きな違いは、その人自体が、成長発達段階にあるか、成長をしきった段階にあるかを重要視します。

たとえるなら、今にも抜けそうな歯を、治療する必要があるのか?このまま経過を追っていき自然射抜けてしまったら良いので、成長を加味した考え方をするかどうかが大きな問題となります。

一般歯科の考え方は、虫歯を治すための手法を今行うので、今ある口の状態でどのように処置するかが大きな問題で、成長に伴う要因は考えません。

素養な考え方が、横の関係の処置となります。

逆に小児歯科は成長が関わってくるので、日常の習慣なども大きな要因となるので、一見歯科と関係ないような、姿勢や、ご飯の食べ方、発音なども目を光らせて診ていきます。

当然、守備範囲は広くなるので、先生によっては得意とする分野が微妙にずれてくるのも事実です。

歯の構造から診た場合

ぱっと見た歯の構造は大人の歯も子どもの歯も大きさだけで同じように感じますが、似ていても全く異なる特徴があります。

歯の表面の堅さに関しては、乳歯と永久歯では、乳歯は永久歯の半分の強度しかありません。

さらに、表面を囲んでいるエナメル質という堅い部分は、乳歯は、永久歯に比べて半分の厚みしかないのです。

さらに乳歯は、乳歯の下に永久歯があるため、奥歯では、根は大きく外に開いて、永久歯を囲むように存在します。

永久歯の生え替わりで根っ子が溶けているケースでは簡単に歯を抜けますが、しっかりした乳歯の奥歯を抜くのはかなり大変な作業です。

当然乳歯は永久歯に生え替わるので、乳歯の根っ子は永久歯の萌出にともない、状態が変化します。

当然、根っ子の治療の仕方が変わってきます。根っ子の中に入れるお薬を成人と同じ材料を使ったら、根っ子の中で薬が残ってしまい、永久歯にダメージを与えます。

私も診療室でまれに見るのですが、一般歯科で根っ子の治療後来院してくる方で、乳歯の根の中に金属の土台を立てているケースを何回かみました。

当然永久歯が、出てきたら、金属と永久歯がぶつかり永久歯にダメージを与えてしまします。

構造面から見ても。処置や使う材料が全く異なり、最大の違うポイントは成長を加味した診療か、それとも、今の段階で、成長による変化がないことを前提とした処置下でやることが変わります。

永久歯でも幼弱が付くと全く違う考えが必要

それでは大人歯が生えたら一般歯科?と構造から考えますが、生えたての歯は幼弱永久歯と呼び、これもまた、処置に成長を加味しないといけません。

なぜなら、歯は完成体でお肉から出てくるのでなく、歯は未完成な状態でお肉から出てきます。

お肉から歯が出るメカニズムの1つに根っ子の成長があります。根っ子が出来上がるにつれて、イメージとしてロケットのエンジンの役目をします。

前歯ですと根っ子が半分出来上がることが出来る力が一番強く、奥歯だと2/3の根っ子が出来上がるときが、出る力が一番強いです。

そして根っ子が完全に出来上がると、歯の出る力ほとんど無くなります。それが、歯が出始めてから、3年かかるのです。

始めにも述べましたが、親知らずを除く12歳臼歯、すなわち前から数えて7番目の歯が生えてきてから3年。すなわち15歳が小児歯科の目安となるわけです。

それまでの間、根っ子が完成していないと言うことは、虫歯が進行して、根っ子の治療が必要となった場合に、根っ子の先端の処置を別途しなくてはならなくなります。

さらに言うと、その虫歯の進行も、幼弱永久歯は、名前の通り、まだ表面が完全に堅くなっていないので、早く虫歯が進行するのも特徴です。

その他にも色々な要因がありますが、乳歯と永久歯、あるいは幼弱永久歯の存在によって、成長による変化を多方面から検討しないといけないのが、小児歯科です。

 

小児歯科と歯科との最大の違いは成長をかみするか、加味しないかです。

逆に縦のラインで診ると言う意味の小児歯科は、その考え方化すると、40歳でも必要であれば小児歯科で診ます。

例えば全身疾患があったりする場合が、そのケースに当たることもあります。(ただしこの場合はレアケースで、そのような人は小さいときから小児歯科で受診されていて、一見さんで小児歯科の診療室で診療するケースはありません。)

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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